スタッフブログ

2023/5/29 投稿

久能山東照宮へ

今年のNHK大河ドラマの主人公は、江戸幕府を開き初代将軍となった徳川家康公です。その家康公をご祭神としてお祀りする全国東照宮の創祀が「久能山東照宮」です。権現造、総漆塗、極彩色の御社殿は日光東照宮より19年前に造られ、江戸初期の代表的建造物として国宝に指定されています。家康は自分の死後「遺体は駿河国の久能山に葬り、江戸の増上寺で葬儀を行い、三河国の大樹寺に位牌を納め、一周忌が過ぎて後、下野の日光山に小堂を建てて勧請せよ、関八州の鎮守になろう」(『本光国師日記』より)と遺言を残しており、この御遺命により御遺骸を久能山に埋葬し、2代将軍秀忠公の命により久能山東照宮が創建されたという由緒があります。

▼石鳥居~表参道

▼楼門(ろうもん)(重要文化財)

軒下中央に第108代後水尾天皇の宸筆「東照大権現」の扁額が掲げてある為、「勅額御門(ちょくがくごもん)」とも言われています。 中央の蟇股(かえるまた)に獏の彫刻があり、表側左右の格子戸内に随身、裏側左右の金剛柵内に狛犬が据えられています。

▼御社殿(国宝)

御祭神徳川家康公をおまつりする「本殿」と参拝をするための「拝殿」を「石の間」で連結した「権現造」と呼ばれる様式で、全国に数多く創建された東照宮の原型となりました。 元和3年(1617)建立。江戸幕府大工棟梁中井大和守正清の代表的な遺構のひとつであるとともに、江戸時代を通じて権現造社殿が全国的に普及する契機となった最古の東照宮建築として、平成22年国宝に指定されました。

▼石段
久能山下側にある石鳥居からは1,159段の石段があります。静岡鉄道日本平ロープウェイが開通(昭和32年)するまでは、この石段のみが東照宮への参拝路でした。

階段を登りきると駿河湾が一望できます。

徳川家の家紋と言えば「三つ葉葵」ですが、拝殿の垂木1本1本にもその御紋が飾られています。実はその中で1つだけ、逆さまになっている御紋があるのです。これは家康公を祀る神社が未来永劫残り続けるように、発展の余地を残すという意味であえて未完成の状態にした、と言われております。拝殿の他にも、境内にはいくつかの逆さ葵があるそうです。訪問された際は逆さ葵を探してみてはいかがでしょうか。