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2020/6/29 投稿

最高級石材「庵治石 五輪塔」 彫刻前の確認作業

ご注文をいただいている五輪塔の彫刻文字の大きさや配置の確認作業を行いました。

  

五輪塔を設置した時に最高の見栄えとなるように石目を確認します。
室内だと蛍光灯の光などによって石の模様や見え方が変わってしまう為、一度屋外に運んで改めて確認を行います。

  

手間のかかる作業ですが、お施主様が実際にお参りされる環境に近づける為、再度五輪塔を組み直します。

  

屋外での石の見え方を確認した後は、五輪塔をクレーンで持ち上げ、お施主様が実際にお参りされる時の高さを想定した状態で確認を行います。

  

組み上げたお石塔に原稿を貼り付けてみると、平面ではなく曲面(へこんだ曲面や張り出した曲面)になるので、バランスが変わって見えます。このため、原稿の大きさに微調整が必要となります。
元の原稿の梵字より少し大きくして彫刻した方が立派に見えますと職人に指示し、少し大きくした原稿を再度五輪塔に張り付けて確認を行いました。

  

最後に五輪塔を遠目に見て、梵字と五輪塔の全体のバランスを確認します。
このようなこだわりの積み重ねが、最終的には大きな差となって現れてくると考えております。

  

文字の大きさやバランスの確認を何度も行い、文字サイズを調整し、いよいよ彫刻作業へと進んでいきます。

  
庵治石は、国産高級墓石の最高峰と呼ばれていますが、その中でもきめ細かな模様の細目になるほど貴重品として扱われています。今回のお施主様のお墓は、最も稀少な最上級「香川県産庵治石細目極上」を使用しています。やはり「極上」は、非常にきめが細かく、庵治石独特の「フ(斑)」と呼ばれる模様がより鮮明に浮かんでいます。
※斑が浮くとは石の表面が二重の絣模様(かすりもよう)のように見えることをいいます。この現象は世界の石材の中でも他に類がないと言われ、庵治石特有の現象とされています。

私共もお施主様と同様、「香川県産庵治石細目極上」を使用した五輪塔の完成が楽しみです。