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2022/6/10 投稿

七年に一度

長野県を代表する名刹善光寺は、七年に一度『前立本尊御開帳』が執り行われます。本来であれば昨年の行事だったそうですが、新型コロナの影響もあり、1年遅れで今年開催されました。

善光寺は、現在天台宗と浄土宗のご寺院が共同で護っておられますが、特定の宗派に属さないお寺として知られております。御本尊様は『一光三尊阿弥陀如来』。一つの光背の中に三尊(中央に阿弥陀如来、両脇に観世音菩薩、勢至菩薩)が配置された様式で『善光寺式阿弥陀三尊像』と呼ばれております。その御本尊様は絶対秘仏であるため、善光寺の代々のご住職でもご覧になることはできないそうです。そのため、七年に一度、御本尊様とまったく同じお姿をした『前立本尊』様を本堂にお遷ししお参りする行事が『善光寺前立本尊御開帳』です。本堂の前には回向柱が建てられ、その回向柱と前立本尊様の右手の中指は『善の綱』で結ばれおります。柱に触れると前立本尊様に触れることと同様となり、その功徳は計り知れないと言われております。

本堂は国宝に指定されており、江戸中期を代表する仏教建築です。東日本最大級の国宝木造建築で、煩悩の数と同じ百八本の柱で造られています。

感染対策がしっかりとされているとはいえ、その人の多さには驚くばかりでした。前立本尊様を近くで参拝するには2時間以上の待ち時間が必要とのことで、今回は遠くからお参りいたしましたが、そのお姿は遠目にも尊く感じられ、大変感動いたしました。早く穏やかな日常が戻ってきてほしいという願いと共に、家族や友人の幸せを前立本尊様に祈願してまいりました。