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あやしい絵展
東京国立近代美術館で開催されている「あやしい絵展」に行ってまいりました。
(現在は緊急事態宣言発出により臨時休館中です)
「あやしい絵展」は、芸術作品の王道とは少し違った「神秘的、不可思議、ミステリアス」といった魅力を持つ作品を集めた展覧会です。幕末から昭和初期に制作された絵画、版画、雑誌や書籍の挿図等からあやしくも美しい作品がたくさん展示されておりました。
(この作品展のメインビジュアルにもなっている甲斐庄楠音《横櫛》は圧巻の一言でした。)
いくつか撮影が許可されている作品もありました。
■田中恭吉 《冬蟲夏草》
田中恭吉は明治に活躍した版画家で詩人でもありました。23才という若さでこの世を去ってしまった田中恭吉がその前年に創作したのが 《冬蟲夏草》です。病を抱えながら作品を作っていた田中の「死への不安」を表しているのでは、と言われるこの木版画は小さな作品ながら誰もが惹きつけられるように足を止めて見つめていました。
■水島爾保布《人魚の嘆き》
大正8年に発行された谷崎潤一郎の「人魚の嘆き」です。魔性の人魚は、大正・昭和に活躍した日本画家であり小説家、漫画家、随筆家という多才な芸術家、水島爾保布が描きました。谷崎の美しい文章と妖艶な人魚の挿絵によって、その当時話題となったそうです。
■小村雪岱《おせん 傘》
小村雪岱は泉鏡花の挿絵で知られる画家であり、舞台美術や装丁などマルチに活躍したことでも有名です。アートディレクター・グラフィックデザインの先駆けとも呼ばれ、その構図や色使いは今なお色あせることなく、様々なアーティストに影響を与えています。「おせん 傘」は、江戸の三大美女として有名だった「笠森お仙」をモデルにした邦枝完二の新聞小説「おせん」の1場面ですが、主役の「おせん」はひしめき合う傘の隙間から除く黒頭巾の女性です。斬新なデザインとタッチは「雪岱調」と呼ばれ一世を風靡しました。
今は緊急事態宣言の発出により、都内のほとんどの美術館、博物館は臨時休館となっています。楽しみにしていた美術展の開催中止も決定してしまいました。残念ですが、いつかきっと見られる日がくると信じて、その日を待ちたいと思います。
藤の花
先日、出入りのお寺様では藤の花が咲いておりました。
五月晴れに映える藤の花を見て、季節の移り変わりを感じました。
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