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ご注文をいただいている五輪塔の彫刻文字の大きさや配置の確認作業を行いました。

  

五輪塔を設置した時に最高の見栄えとなるように石目を確認します。
室内だと蛍光灯の光などによって石の模様や見え方が変わってしまう為、一度屋外に運んで改めて確認を行います。

  

手間のかかる作業ですが、お施主様が実際にお参りされる環境に近づける為、再度五輪塔を組み直します。

  

屋外での石の見え方を確認した後は、五輪塔をクレーンで持ち上げ、お施主様が実際にお参りされる時の高さを想定した状態で確認を行います。

  

組み上げたお石塔に原稿を貼り付けてみると、平面ではなく曲面(へこんだ曲面や張り出した曲面)になるので、バランスが変わって見えます。このため、原稿の大きさに微調整が必要となります。
元の原稿の梵字より少し大きくして彫刻した方が立派に見えますと職人に指示し、少し大きくした原稿を再度五輪塔に張り付けて確認を行いました。

  

最後に五輪塔を遠目に見て、梵字と五輪塔の全体のバランスを確認します。
このようなこだわりの積み重ねが、最終的には大きな差となって現れてくると考えております。

  

文字の大きさやバランスの確認を何度も行い、文字サイズを調整し、いよいよ彫刻作業へと進んでいきます。

  
庵治石は、国産高級墓石の最高峰と呼ばれていますが、その中でもきめ細かな模様の細目になるほど貴重品として扱われています。今回のお施主様のお墓は、最も稀少な最上級「香川県産庵治石細目極上」を使用しています。やはり「極上」は、非常にきめが細かく、庵治石独特の「フ(斑)」と呼ばれる模様がより鮮明に浮かんでいます。
※斑が浮くとは石の表面が二重の絣模様(かすりもよう)のように見えることをいいます。この現象は世界の石材の中でも他に類がないと言われ、庵治石特有の現象とされています。

私共もお施主様と同様、「香川県産庵治石細目極上」を使用した五輪塔の完成が楽しみです。

ご注文いただきました「庵治石(あじいし)」の検品に、庵治石の産地である香川県高松市庵治町まで、お施主様とご一緒し行って参りました。
工場では実際のお墓で使用する石をご覧いただきました。

まずは香川県の名産「讃岐うどん」をいただき、工場へ向かいました。

工場では実際のお墓で使用する石をご覧いただきました。

石の磨きは済んでいますが、細かい加工はお施主様のご了承をいただいてからとなります。
建立後により良い石に見えるようにパーツパーツでどの面を正面にするかを決め、一度仮組みをして全体のバランスを見ます。そこで私共から「石目が1番綺麗な面は、最初に目に入る側面にした方が良いと思います」とご提案させていただきました。ご提案をお受けいただき、石合わせも完了し、加工に進むこととなりました。

続いて庵治石の採掘場に移動し、採掘元の方に庵治石の説明をしていただきました。
あいにくの雨で車内からの見学となってしまいましたが、初めて見る採掘現場の光景に「やっぱりこの迫力は実際に来てみないとわからないね」とお施主様からご満足いただくことが出来ました。

帰りの飛行機では窓から富士山が見えました。神と崇められる富士の周りに広がる雲海の美しさは、まるで庵治石特有の「美しい斑模様」のように上品さと存在感を兼ね備え、神聖な丁場から産出される最高級石材の庵治石と同じようなものを感じさせます。
その仏様のような神々しい景色にお施主様も私共も改めて庵治石の素晴しさに気づくことが出来ました。

お施主様は墓石の色味に対するこだわりが非常に強くおありでしたので、ご自身でご確認いただくことをご提案させていただきましたが、吟味した素材に満足し、採掘元や加工する職人の庵治石への想いなどにも感銘を受け、非常にご満足されたようでした。私共もお施主様と同様にお墓の完成が大変楽しみです。